【2月14日 AFP】スイスで13日、たばこ広告を事実上ほぼ全面禁止する規制強化案の是非を問う国民投票が行われ、約57%の賛成で可決された。

 スイスはたばこ広告規制で他の先進国に大きく遅れている。背景には、日本たばこ産業(JT)やブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)、フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)など世界のたばこ大手がスイスに本社を置き、大規模なロビー活動を展開していることがあるとみられている。

 スイス政府や議会は、広告規制強化案は行き過ぎだとして反対していた。

 右派・自由民主党のフィリップ・バウアー(Philippe Bauer)議員は、「きょうはたばこについて議論しているが、すぐにアルコールや肉の話になるだろう」と警告し、「何でもかんでも規制しなければ気が済まないポリティカルコレクトネスの独裁」だと非難した。

 たばこ大手もこの懸念を共有しており、規制強化反対キャンペーンに資金援助を行ってきた。PMIの広報担当者は、個人の自由に関する限り「滑りやすい坂道」を下っているようなものだと語った。

 13日には、動物実験の全面禁止の是非を問う国民投票も行われたが、80%近い反対で否決された。この法案については全政党、議会、政府が、行き過ぎで医学研究に悪影響を及ぼすとして反対していた。

 また、広告収入の減少で苦境にある報道機関への政府補助金を増額する法案についても、55%以上が反対し、否決された。(c)AFP/Nina LARSON