【11月20日 AFP】フィリピン警察は20日、全国の警官に対し、公の場で電子たばこを使用したことが確認された者を逮捕し、機器を没収する措置を開始するよう命じた。同国では19日夜、ロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領が電子たばこの禁止を突如発表していた。

 ドゥテルテ大統領は元喫煙者。多数の死者を出している麻薬取り締まり政策で国際的に知られるが、公の場での喫煙についても広範な禁止措置を取ってきた。

 フィリピン警察は「全国のすべての警察部隊に対し、本日付で電子たばこ禁止令の施行を命じた。違反者は例外なく逮捕される」と発表。大統領令を逮捕の根拠に挙げている。

 禁止の範囲や罰則を明記した正式な命令書は公開されていない。

 フィリピン保健当局は15日、電子たばこ使用に関連する肺損傷が国内で初めて発生し、16歳の少女が入院したとの報告を出した。

 世界保健機関(WHO)が2015年に実施した直近の調査によると、フィリピン国民の喫煙率は約24%。同国政府はドゥテルテ大統領の就任以前から、たばこ広告を禁止するなどの施策を講じている。

 電子たばこはブラジル、シンガポール、タイ、米マサチューセッツ州などでもすでに禁止されている。(c)AFP