■成功の裏のスキャンダル

 しかし、そうした成功の裏ではスキャンダルもあり、数人のアスリートがトゥトベリーゼ氏の元を去った。

 リプニツカヤ氏は2015年にチームを離れてその後現役を引退し、メドベデワも2018年にブライアン・オーサー(Brian Orser)氏に師事するためにカナダ・トロントへ拠点を移した。

 メドベデワは2021年8月にユーチューブ(YouTube)でのインタビューで、トゥトベリーゼ氏の指導法は「成果を上げるものの、成長するにつれて、年々耐えるのが難しくなっていく」とコメント。優勝しても何の称賛もしてもらえず、それは「過酷な」経験だったと話した。

 2020年にはトゥルソワに加えて強豪選手のアリョーナ・コストルナヤ(Alena Kostornaia)も、同氏のライバルで4個の五輪メダルを獲得しているエフゲニー・プルシェンコ(Evgeni Plushenko)氏の指導を仰ぐためにチームを離れると明らかにした。

 トゥトベリーゼ氏は教え子が離脱した当時、インスタグラム(Instagram)に「練習のシステムを何か変更するかって? いいえ、私たちは全て正しく行っている」と書き込んだ。

 ロシアの元アイスダンス選手エカテリーナ・ボブロワ(Ekaterina Bobrova)氏は、トゥトベリーゼ氏について「人の自尊心を傷つけることもあるが、それは彼女の認識では善意で行っている」と話していた。

 そして、結局のところトゥルソワとコストルナヤ、そしてメドベデワはいずれも同氏の元へ戻った。(c)AFP/Anastasia CLARK