【2月10日 AFP】中米エルサルバドルで9日、人工妊娠中絶したとして禁錮30年の判決を受けた女性が、10年間の服役を経て釈放された。

 中絶を擁護するエルサルバドルの団体ACDATEEは「加重殺人で禁錮30年という不当な判決が終わった」と発表した。

 ACDATEEによると、エルシーさんは2011年6月15日、救急処置が必要となり中絶をし、後に拘束された。

 ACDATEEは「エルシーさんの法的権利が尊重されず、推定無罪の原則も守られず、直ちに拘束された」と非難した。

 中絶で収監された女性で、昨年12月以降に釈放されたのはエルシーさんで5人目となる。

 エルサルバドルでは1998年以降、中絶は違法とされており、母体や胎児に危険がある場合も例外として認められていない。

 中絶で有罪となった場合、8年以下の禁錮が科されるが、50年以下の禁錮が科される「加重殺人」で起訴されることが多い。

 女性平等センター(WEC)のポーラ・アビラギレン(Paula Avila-Guillen)代表は、ナジブ・ブケレ・オルテス(Nayib Bukele Ortez)大統領に対し、中絶で収監されている罪のない女性を釈放するよう求めた。(c)AFP