【2月9日 AFP】イタリア北部ロンバルディア(Lombardy)州の民家で、70歳の女性が亡くなっているのが見つかった。遺体は椅子に腰かけた状態でミイラ化しており、死後2年半以上が経過しているとみられている。

 亡くなったのはマリネッラ・ベレッタ(Marinella Beretta)さんで、身寄りはいなかった。庭の木が強風で倒れる恐れがあったことから、警察が訪問して遺体を発見した。

 現地メディアによると、ベレッタさんの姿が最後に確認されたのは2019年9月。近隣住民は、新型コロナウイルス感染の流行を受け、その後引っ越したと思っていたという。

 イタリア国家統計局(ISTAT)が2018年に公表した報告書によると、75歳以上のほぼ40%が一人暮らし。いざという時に頼れる親族や友人がいないとの回答もほぼ同じ割合となっている。

 現場の状況に不審な点は見つからなかった。葬儀と埋葬の費用は地元自治体が負担する見通し。

 現地紙メッサジェロ(Messaggero)は「本当に悲しむべきはマリネッラ・ベレッタが孤独死したことではない。生きていた時に誰も気付かなかったことだ」と記した。(c)AFP