【2月3日 AFP】オーストリアの首都ウィーンの市当局が、アパートで孤独死した高齢男性(66)の遺体の収容を2か月間「忘れていた」ことが明らかになった。市職員が2日、AFPに語った。

 一人で暮らしていた男性は長年病を患っていたが、昨年11月11日、男性を支えていた近所の住民によって遺体で発見された。

 この住民がオーストリア放送(ORF)に語ったところによると、男性の友人も家族も分からなかったため、住民は警察に通報した。

 その後、適切な葬儀が行われるものと住民は思っていたが、ショックが待ち受けていた。1月27日、男性の遺書を探す公証人に付き添って男性のアパートに入ったところ、遺体がそのままだったのだ。

 ウィーン市衛生センターのニコラウス・ザルツァー(Nikolaus Salzer)所長はこの件について、複数の不運な状況が重なったとともに、ウィーン市民の死を確認するチームと葬儀社の間で生じた「コミュニケーションの問題」であり、前代未聞の出来事だと語った。すでに内部調査を開始したという。

 男性の親族が見つからなかった場合、葬儀は市当局が行うことになるという。(c)AFP