【2月9日 AFP】ソフトバンクグループ(SoftBank Group)は8日、傘下の英半導体設計大手アーム(Arm)を、米半導体大手エヌビディア(NVIDIA)に400億ドル(約4兆6000億円)で売却する計画を断念したと発表した。「規制上の課題」のためとしており、代わって2022年度中のアーム株式の上場を目指す。

 アームの売却計画をめぐっては、米当局が阻止に向け訴訟を起こしたほか、英国や欧州の競争当局も調査を開始していた。

 ソフトバンクグループは同時に、2021年10〜12月期の決算を発表。純利益は290億円で、ハイテク株の高騰で業績が向上した前年度同期の1兆1700億円から大幅な減益となった。

 借り入れを活用した成長戦略を進める孫正義(Masayoshi Son)会長兼社長が多額の資金を投資してきたIT企業は最近、米国での利上げ見通しから打撃を受けている。

 孫氏は昨年11月、1兆円規模の自社株買いを発表。ソフトバンク株の下落に不満を持つ株主からの圧力を受けた動きとみられている。しかし、アーム売却計画が頓挫したことにより、手持ち資金が想定以上に減少する可能性もある。一部のアナリストは、アーム上場で調達できる資金について、エヌビディアへの売却額を下回ると予測している。(c)AFP/Sara HUSSEIN, Tomohiro OSAKI