【2月5日 AFP】中国は4日、氷点下の寒さと、新型コロナウイルス対策の厳格な規制の中でも、北京冬季五輪の開幕を全力で祝おうと努めた。だが今大会は、新型ウイルスの世界的流行や、対欧米関係の冷え込み、そして同市で2度目となる五輪開催による世間の無関心によって、開催前からすでに冷や水を浴びせられていた。

 夏冬両方の五輪を開催した都市は、北京が初めて。開会式では、招待された大勢の人々が、厳重なコロナ対策により数時間かかる入場手続きを乗り越えて会場入りした。

 だが、演出は2008年夏季大会と同じ著名映画監督のチャン・イーモウ(張芸謀、Zhang Yimou)氏(71)が担当、会場も同じ「鳥の巣(Bird's Nest)」こと国家体育場(National Stadium)で、市内では多くの警官隊が展開するなど、前回大会の記憶を呼び起こす点も多かった一方で、前回ほどの興奮はないと認める人も多い。

 北京在住の女性(31)は、新型ウイルスの影響で「前回のような活気はないことは間違いない」とした上で、「でも皆の心の中には熱意がある」と語った。

 昨年ほぼ無観客で開催された東京五輪ほどの活気のなさにはならないものの、北京大会の観客動員数は新型ウイルスの影響で大幅に制限される予定だ。

 開催時期が春節(Lunar New Year、旧正月)と重なり、多くの国民が年一度きりの親族の集いに気を取られていることも、熱気のなさに影響している。中国政府も新型ウイルスの封じ込めに忙しく、08年の夏季大会のように国中にスローガンや横断幕などを飾り立てて大会を盛り上げることはなかった。