【2月5日 AFP】オランダの港湾都市ロッテルダム(Rotterdam)で、米小売り・IT大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)創業者で大富豪のジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)氏(57)のために建造された巨大ヨットを通行させるため、歴史ある橋を一時的に解体する計画が検討されていることが明らかになり、批判を呼んでいる。同市の市長は3日、地元メディアに対し、市は解体許可の申請を受けておらず、計画をめぐる決定はまだ下されていないと語った。

 3本のマストを持つ巨大ヨットは、ロッテルダム近郊のアルブラッセルダム(Alblasserdam)で4億3000万ユーロ(約570億円)をかけて建造された。しかしその大きさから、ロッテルダムにあるコニングスハーフェン橋(Koningshaven Bridge)の下を通行できないとみられている。同橋は1878年に建設され、第2次世界大戦(World War II)中の1940年にはナチス・ドイツ(Nazi)の爆撃を受けたが、後に再建された。

 同市の広報担当者は2日、AFPに対し、橋の中央部分の撤去を求める造船会社からの要請を、関係者が承認したと説明。ソーシャルメディア上では橋の解体に対する批判が集まっていた。

 しかしアハメド・アブタレブ(Ahmed Aboutaleb)市長は3日、現地紙アルヘメン・ダフブラット(Algemeen Dagblad)に対し、「何らの決定も出ていない、許可の申請さえない」と言明。許可申請が出され、影響を評価した後に決定を下す方針であり、橋を損傷することなく解体が可能なのか、費用はベゾス氏が負担するのかといった点も検討すると述べた。(c)AFP