【2月2日 AFP】ミャンマーの軍事クーデターから1年を迎えた1日、同国東部で開かれた軍支持派の集会が、手投げ弾による攻撃を受け、2人が死亡、38人が負傷した。治安当局がAFPに明らかにした。同国ではこの日、各地で反クーデター派による抗議行動が相次いだ。

 攻撃を受けたのは、東部シャン(Shan)州タチレク(Tachilek)で開催された軍支持集会。犯行声明は出ていない。同州ではこれまで、クーデター関連の暴力事件は比較的少なかった。

 昨年2月1日に起きたクーデターにより、ミャンマーの短い民政時代には終止符が打たれ、国家顧問だったアウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏は失脚。国内ではその後、大規模な抗議活動と、反クーデター派への弾圧が始まった。

 軍事政権は国内の反発を抑えきれず、連日の衝突に発展。同国の監視団体によると、1500人以上の民間人が死亡した。国内の広い地域が反クーデター派武装勢力の支配下にある。

 クーデターから1年となった1日、国内各地では軍事政権の命令に反し「沈黙のストライキ」や拍手による抗議が行われた。

 軍事政権は商店に通常営業を指示していたが、同国の最大都市ヤンゴンの街頭は午前10時ごろから閑散とし始めた。第2の都市マンダレー(Mandalay)や南部タニンダーリ(Tanintharyi)地域でも同じ光景が見られた。AFP特派員や地元住民によると、ヤンゴンやマンダレーの住民は午後4時に一斉に手をたたき、沈黙のストライキを終えた。

 地元メディアは同日朝、ヤンゴンやマンダレーで行われたデモの様子を報道。デモは人々が1か所に突然集まり短時間抗議する「フラッシュモブ」形式で行われ、参加者は発煙筒をたいたり、民主主義を支持する旗を掲げたりした。

 軍事政権はクーデターから1年を前に、騒がしい集会を開いたり、軍に反対する「プロパガンダ」を流したりすれば、反逆罪やテロの罪に問われる可能性があると警告していた。地元メディアによると、ヤンゴンでは拍手の抗議に参加した10人が逮捕された。(c)AFP