【2月1日 AFP】今年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2022)で男子シングルス史上最多通算21回目の四大大会(グランドスラム)制覇を成し遂げたラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は、テニス史上最強の男子選手になったといえるかどうかは「大して気にしていない」と語った。

 1月30日に行われた全豪オープン決勝で、35歳のナダルは第2シードのダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev、ロシア)を2セットダウンから撃破し、いわく「キャリア最大の逆転劇」を演じた。

 昨年は足のけがに悩まされて再びプレーできるようになるのか分からなかったナダルは、今回の劇的勝利で歴史に名を刻み、グランドスラム20勝で並んでいたロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)とノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)を一歩リードした。

 しかし、ナダルは「21が特別な数字なのは分かっている」としながらも、いつまでも歴史的快挙の余韻に浸っているつもりはない。

 日付が変わるまでもつれた激闘を終えた31日朝、報道陣に対して「光栄に感じているし、テニスのキャリアでまた一つとても特別なことを達成できて幸運だ」とする一方で、「自分が当人であろうがなかろうが、それが史上最高であろうがなかろうが、大して気にしていない」と話した。

「率直に言って、きょうはそんなことどうでもいい。とにかく、これからきょうのように楽しい夜を過ごしたい。自分にとってはそれが全てだ」

 試合後の会見では疲れ果てた様子で椅子に座っていたナダルは、もっと勝利を喜びたかったとしながらもそれは無理だったといい、「正直なところ、今でも身体的にとにかく疲労困憊(こんぱい)だ」とし、「あまり考えられないし、試合のこともあまり思い出せない」と語った。

 それでも「観客の後押しが本当に大きかった。試合中はずっと感動していた」と話し、「本当にくたくたで、観客と一緒にいつものように喜ぶことはできなかったけれど、心の中ではそう感じていた。試合中はずっと、全ての応援がとても助けになった」と感謝した。(c)AFP