【1月31日 AFP】法的措置をちらつかされ、インターネット上では嫌がらせの標的に、同僚は国外追放されて人手不足──。中国外国人記者クラブ(FCCC)は31日に公表した年次報告書で、中国では自由な報道の信用を失墜させようとする試みによって、外国人記者が「前例のない障害」に直面していると訴えた。

 年報は、中国当局が記者を相手取り訴訟を起こすことを「奨励している」ようだとしている。外国人記者が同意を取り付けた上で取材したにもかかわらず、かなりの時間が経過した後に訴えられる事例もあったという。

 英誌エコノミスト(Economist)のデービッド・レニー(David Rennie)北京支局長は、年報の中で「リスク状況が人知れず変化しつつある」と指摘。「特に報道機関は、報道内容によっては法的制裁や民事訴訟の対象とされ、最悪の場合は国家安全保障上の調査対象になり得ると警告されている」とし、記者のブラックリスト登録や記者証・査証(ビザ)の発給制限などを通じた従来のメディア統制の手法が「憂慮すべき」方向にシフトしているとの認識を示した。

 年報はさらに「国家の後ろ盾を得た攻撃、特にオンライン上での嫌がらせ」によって記者の活動に支障が出ているだけでなく、外国メディアを敵視する感情をあおることにもつながっているため、「中国取材は困難を極めている」と述べている。(c)AFP