■宗教において「救命は至上の行為」

 今回の移植は医学上の大進歩と称賛される一方で、倫理的な議論も呼んだ。特にモヒウディン氏がイスラム教徒であることは取り沙汰された。

 ユダヤ教徒やイスラム教徒、さらに一部のキリスト教徒の間では、ブタは不浄な動物と見なされている。

 著名なイスラム学者ジャベド・アフマド・ガムディ(Javed Ahmed Ghamdi)師はビデオブログで「今回の行いはイスラム教徒として許されないと考える」と語った。

 一方、パキスタンの別のイスラム学者は、問題ないと主張する。アッラーマ・ハサン・ザファル・ナクビ(Allama Hasan Zafar Naqvi)師はAFPに対し、「シャリア(イスラム法)の中に(異種移植を)禁じる箇所はない」と述べ、この手術を「医学上の奇跡」と呼んだ。

 モヒウディン氏は「宗教において、人の命を救うことほど至上の行為はない」と語る。

 カラチの同窓生は、モヒウディン氏がさらに大きな栄誉を授けられるのではないかと期待している。医科大学のクレシ副学長は、「医療チーム全体でノーベル賞(Nobel Prize)を受賞することもあり得るのではないでしょうか」と述べた。(c)AFP/Ashraf KHAN