【1月29日 AFP】ロシア連邦統計局(Rosstat)は28日、同国の人口が2021年に100万人以上減少したと発表した。減少幅はソビエト連邦崩壊以後で最悪となった。

 ロシアで長年続く人口減少傾向は、新型コロナウイルスの流行によって悪化。統計局によると、国内初の感染者が確認されて以降、66万人以上が新型ウイルスで死亡した。人口は2020年にも50万人以上減少している。

 統計局が毎月発表している新型ウイルス関連の死者数は、政府ウェブサイトでの発表数を大幅に上回る。政府サイトの統計は、病理解剖で新型ウイルスが主な死因と確認された人のみを数えており、累計死者数は32万9443人にとどまっている。

 この統計の相違は、政府が新型ウイルスの深刻さを軽視しているという批判に拍車をかけている。ロシアの感染者数は他国と比べて非常に多く、ワクチン接種の遅れや緩い規制、公共の場でのマスク着用義務違反の横行などから、流行を抑えられずにいる。

 新型ウイルスによる死者は、過去30年間続く低出生率と平均寿命の短さによる人口危機を悪化させている。出生率低下の背景には、現在子ども持ち始めている世代が、ソ連崩壊後の経済不安で出生率が急落した1990年代生まれであることがある。女性1人が産む子どもの平均数は約1.5人で、人口維持に必要な2.1人を大きく下回っている。(c)AFP