【1月28日 AFP】欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)は27日、米製薬大手ファイザー(Pfizer)が開発した新型コロナウイルス感染症の経口治療薬「パクスロビド(Paxlovid)」を承認した。欧州でコロナ治療のための飲み薬が承認されたのは初。

 パクスロビドは、重症化リスクが高い人の入院や死亡を減少させることが臨床試験(治験)で示されているほか、変異株「オミクロン株」に対しても有効である可能性を示唆する研究結果が出ている。飲み薬は病院ではなく自宅で服用できるため、コロナ禍の終息に向けて大きな一歩となる可能性があるとみられている。

 EMAは、「酸素を必要とせず、重症化リスクの高い成人」に対する使用の承認を勧告。今後、欧州委員会(European Commission)の正式承認が必要となるが、これは形式的な手続きで、通常は同日中または数日以内に行われる。

 EMAによると、症状が出てから5日以内にパクスロビドを投与された患者1039人のうち、1か月以内に入院したのはわずか0.8%。偽薬を投与されたグループの入院率は6.3%だった。パクスロビドを投与されたグループでは死亡者はいなかったが、偽薬グループでは9人が死亡した。(c)AFP/Danny KEMP