【12月24日 AFP】米食品医薬品局(FDA)は23日、米製薬大手メルク(Merck、海外事業名はMSD)の新型コロナウイルス経口治療薬「モルヌピラビル(Molnupiravir)」について、重症化リスクの高い成人に対する使用を承認した。前日には米製薬大手ファイザー(Pfizer)が開発した同様の飲み薬の使用を許可していた。

 モルヌピラビルは、発症から5日以内に服用することで、重症化の恐れがある患者の入院・死亡リスクを30%減らすことが示された。一方、ファイザー製飲み薬では同リスクが90%低減した。

 メルク、ファイザー両社製の飲み薬はいずれも臨床試験(治験)で安全性がおおむね確認されているが、メルクのモルヌピラビルについては骨や軟骨の成長に影響を与える可能性があるため、18歳未満への使用は許可されなかった。胎児に害を及ぼす可能性があるため、妊娠中の女性の服用は推奨されていないが、医師がリスクを上回る効果が期待できると個別に判断した場合は使用できる。

 FDAは、両社製の飲み薬はいずれもワクチンに取って代わるものではなく、ワクチンを補完するものだと強調。新型ウイルス対策におけるワクチンの重要性に変わりはないと説明した。(c)AFP