【1月25日 AFP】南アフリカで24日、密猟で角を切り取られ、6年間で30回の手術を受けた10歳の雄のサイが野生に返された。

 サイは「神はわれわれに哀れみを与える」を意味するシハウケレ(Sehawukele)と名付けられ、略してシハと呼ばれている。

 シハは、保護区の柵の付近に横たわっていたところを発見された。あまりにも傷が深く、ほとんど聞くことも食べることもできなかった。

 警察は、野生動物の獣医師ヨハン・マレ(Johan Marais)氏に連絡した。マレ氏は、密猟を生き延びたサイを野生に戻す活動を行っている慈善団体「セービング・ザ・サバイバーズ(Saving the Survivors)」を運営している。

 シハは、大手術を受けた後も鼻周辺の傷がふさがらず、感染症にかかる危険にさらされている。しかし、シハによる繁殖を期待し、野生に戻すことが決められた。

 シハが再び密猟被害に遭わないよう、野生に戻された正確な場所は明らかにされていない。

 南アフリカで2021年1~6月に殺されたサイの数は、前年同期より83頭多い249頭だった。(c)AFP