■成功をつかむ道は「勉強だけではない」

 体力向上を目指す取り組みは、国民により健康的なライフスタイルを推奨する中国共産党の政策の一環だ。この取り組みには、政府が「有害な娯楽」と見なす美容整形やビデオゲームなどの取り締まりも含まれている。

 中国の教育システムは丸暗記型の勉強、多大なプレッシャーがかかる試験、個別指導による放課後の詰め込み学習と連動し、不安を抱く親も子どもに頑張りを強いている。

 だが、こうした教育事情が若者の肥満や近視を助長しているという批判もある。また多くの若者が今の社会をストレスに満ちた出口のない出世競争だと捉えているが、教育システムがこの絶望感の一因だと非難する声もある。

 姜玉ジン(Jiang Yujing)さんは、2010年世界ジュニアバドミントン選手権で団体優勝した中国チームの一員だった。現在、上海の小中一貫校でバドミントンを教えている。

 生徒の親たちは、勉強だけが成功をつかむ道ではないことを理解しつつあると姜さんは言う。「子どもたちの生まれながらの能力を生かしつつ、スポーツを通じて子どものストレスを解消させてやりたいと考えるようになってきました」

 姜さんの教え子の一人、小学4年生の宋玄淳(Song Xuanchun)君は、こうした変化を同級生と喜んでいると言った。

「同級生のほとんどが健康になりました。前は鼻血を出す子や具合が悪くなる子も多かったけれど、それもなくなりました」

 それでも、ブログで不安を語る保護者もいる。スポーツ推進事業がいずれ立ち消えになり、その時にはわが子が学業が後れを取っているのではないかという懸念だ。また、多くの親が以前と変わらず、勉強するよう子どもたちをひそかに追い立てていることをうかがわせる投稿もある。(c)AFP/Vivian LIN/LAN Lianchao