【1月23日 AFP】(更新)オーストラリアのビザ(査証)を取り消され、全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2022)出場を逃した男子世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)について、大会責任者を務めるクレイグ・タイリー(Craig Tiley)氏は23日、ジョコビッチが来年の全豪オープンに出場する意向を持っていると話した。

 ジョコビッチは最多21回目の四大大会(グランドスラム)制覇が懸かる全豪オープン出場を目指していたが、新型コロナウイルスワクチンの接種状況をめぐって大会前に入国ビザを取り消された。滞在許可を求めたが豪当局との法廷闘争に敗れ、1週間前に国外退去となった。

 ジョコビッチについては、今後3年間の新規ビザ発給が禁止される可能性も取り沙汰されている。しかし、この問題が起こって以来、目立った言動を控えてきたタイリー氏はこの日、ジョコビッチは来年の全豪に出場する予定なのかとの質問に対して「イエス」と答えた。

 豪公共放送ABCに対して、タイリー氏は「もちろん、今年は出られなかったが、それが彼の意思だろう」と認識を示し、「結局のところ、彼は世界ナンバーワンの選手で、全豪オープンを心から愛している」と話した。

 しかし、大会の開催地メルボルンのあるビクトリア(Victoria)州のダニエル・アンドリュース(Daniel Andrews)首相は、ジョコビッチを歓迎するのはワクチン接種を終えた場合だけだと強調した。

 アンドリュース首相は報道陣に対して「ラファ(ラファエル・ナダル<Rafael Nadal、スペイン>)が正しい。ワクチンを打ってさえいれば避けられた事態で、ジョコビッチは自分が大会よりも大きな存在だと思ったのかもしれないが、そうではない」と話し、「だからこそ、大会は彼抜きで開催され、大きな成功を収めている」とコメントした。

 タイリー氏は、ジョコビッチがオーストラリアテニス協会(Tennis Australia)の医療責任者からワクチン接種免除の許可を得ていたにもかかわらず、国外退去になったことについては、「変わり続ける状況」と連邦政府との「誤解」が原因だったと話した。

 ジョコビッチは、裁判や渡航の費用の補償を求めて協会を訴える可能性があるとの報道も出ているが、タイリー氏は「ノー」と否定した。(c)AFP