【1月22日 AFP】男子テニス世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が、全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2022)の開幕直前にオーストラリアから国外退去処分を受けたことについて、長年のコーチであるマリアン・ヴァイダ(Marian Vajda)氏は「不当」だとの認識を示した。

 ジョコビッチは先日、新型コロナウイルスワクチンの接種状況を理由として、全豪オープン開幕前にビザ(査証)を取り消された。その後は大会出場を目指し、滞在許可を求めて最後まで法廷で争ったが訴えは認められず、16日にメルボルンを後にした。

 21日に掲載された母国スロバキアのスポーツ専門サイトSport.skとのインタビューで、騒動後初めてコメントしたヴァイダ氏は「あれは政治的プロセスだった」と話し、「不健全かつ不当な決定で、彼のプライバシーや家族も侵害した。重大な結果を招くのは確実だろう」と主張。国外退去の決定には「ショックを受けた」と明かした。

 ワクチン接種を拒否しているジョコビッチは、今年残る三つの四大大会(グランドスラム)も出場できなくなる可能性があり、今後の計画は不透明だ。

 全豪オープンで男子シングルス歴代最多のグランドスラム21勝目を目指していたジョコビッチについて、ヴァイダ氏は「一連の状況が彼に精神的に打撃を与えたのは明らかだ」とし、「この傷は長く引きずることになり、頭から追い出すのも難しいだろう」と語った。

 それでも、ジョコビッチなら逆境を乗り越えるだろうと主張し、「ノバクは強くて信念が固い。それに、彼はまだテニスに別れは告げていない」と語った。(c)AFP