【1月21日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2022)の主催者は20日、大会期間中の新型コロナウイルス検査が「任意」であることに一部の選手が疑問を呈したことを受けて、感染対策は機能していると主張した。

 現在開催中の全豪オープンでは19日、男子シングルス1回戦で敗退したフランスのウゴ・アンベール(Ugo Humbert)が、オーストラリア出国前の検査で陽性が判明したと明かし、初めて選手の陽性が確認された。

 これを受けて男子シングルス大会第3シードのアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)は、オーストラリアで新規感染者数が急増している状況であるにもかかわらず、出場選手は検査を受けていないと明かした。証拠は示さなかったが、すでに「相当数の選手」が感染しているとも主張した。

 大会のコロナ対策に対しては、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が国外退去となる騒動の時にもすでに厳しい目が向けられていたが、ズベレフの今回の発言によって新たな疑問が投げ掛けられた。

 また女子シングルス第3シードのガルビネ・ムグルサ(Garbine Muguruza、スペイン)は、選手を対象にした検査は「任意」であると指摘。義務でなくても自身は2日おきに部屋で検査しているというムグルサによれば、会場到着時に検査結果を提出する必要もなかったという。

 しかし、大会ディレクターを務めるクレイグ・タイリー(Craig Tiley)氏は、全豪オープンのコロナ対策について「ここまでしっかりと機能しており、うまくいっている」と豪テレビ局チャンネルナイン(Channel Nine)で擁護し、「われわれは検査プログラムだけでなく、ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)とマスクの着用も継続している。ご覧の通り、選手エリアでは全員がマスクを着けている」と話した。

 今年の全豪オープンでは、会場で働く大会関係者は毎日の迅速抗原検査を義務付けられており、陰性の場合のみ会場内にとどまることができる。

 出場選手にも検査キットが配布されているものの、検査する義務があるのは症状があるときだけで、陽性の公表は選手に委ねられている。出場選手は豪到着時に全員がPCR検査を受け、その後5〜7日後に再検査をしている。(c)AFP