【1月27日 AFP】中米ホンジュラス北部の都市サンペドロスラ(San Pedro Sula)。15日の土曜日の朝、街外れにあるターミナルの駐車場に子どもを含む男女数百人が集まった。

 このうち多くが、日の出前には徒歩で出発した。目指すは山向こうにあるグアテマラ国境の町コリント(Corinto)。袋やバックパックにはわずかな所持品しか入っていない。この移民集団(キャラバン)の最終目的地は、2000キロ以上離れた米国だ。

 ニカラグアの首都マナグアから来たオバルドという男性は名字は明かさず、「家族のより良い将来」を探しているのだと語った。自国の状況が「とても厳しい」ので、「前途多難」なのは承知で国を離れたと言う。

 行動を共にしているのは、およそ500人の他の移民だ。ホンジュラス、ハイチ、ベネズエラ、ニカラグアといった中南米諸国に加え、アフリカ大陸から来た移民もいる。

 一行はコリントの国境検問所にまとまって到着すると、グアテマラの入国審査を受けるために小さいグループに分かれた。

 現場のAFP写真記者によると、身分証明書や新型コロナウイルス陰性証明書を持っていなかった人々は、ホンジュラスへ戻された。一方、グアテマラ当局によると、入国に必要な書類を持たない約150人が違法な経路で入国した。

 国境を越えて間もないグアテマラ側のイサバル(Izabal)県内で、入国審査を通過した約100人が行く手を阻まれ、治安部隊めがけて石や物を投げつけた。当局によると、この衝突で、移民を押し戻そうとした治安部隊十数人が負傷した。

 2018年10月以来、サンペドロスラからは十数組のキャラバンが出発したが、ほとんどは米国の国境封鎖などにより到達できていない。

 15日のキャラバンにいた人々が危険な移動を強行した理由は一つではない。麻薬密売人やギャングの暴力から逃れるためだけではなく、干ばつや洪水といった自然災害で立ち行かなくなった生活も再建したいと人々は語った。(c)AFP