【1月20日 AFP】海底火山の噴火とそれに伴う津波に見舞われ、孤立状態が続いている南太平洋の島国トンガで19日、国際空港の滑走路に降り積もった火山灰の除去作業が終了し、喫緊に必要とされる緊急援助の受け入れが可能となった。

 国連(UN)のジョナサン・ベイチ(Jonathan Veitch)調整官は、本島にある空港の滑走路は5〜10センチの火山灰に埋もれていたが、再び運用可能になったとAFPに説明。長く足止めされていたオーストラリアとニュージーランドからの航空機の乗り入れが翌20日にも可能になると語った。

 15日に起きた海底火山フンガトンガ・フンガハアパイ(Hunga Tonga-Hunga Ha'apai)の噴火では、3人が死亡。津波により多数の家屋が倒壊、広範囲にわたって浸水被害が出た。

 トンガ政府は、今回の噴火と津波を「前例のない災害」と表現。最大15メートルの津波により、一部の離島ではほとんどの家が破壊されたとしている。

 国内では、人口10万人のほぼ全員が被災。飲料水の確保が急務とみられることも判明している。火山からの噴出物は上空30キロの高さに到達し、約170の島々からなる国土全体に火山灰や酸性雨が降り注いだことで水が汚染された。

 国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)のケイティ・グリーンウッド(Katie Greenwood)氏は「トンガの水道は、降灰と津波による塩水によって深刻な影響を受けている」とし、コレラや下痢などの病気のリスクが高まっていると述べた。(c)AFP/Chris FOLEY