【1月17日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は17日、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)のオンライン講演で、大国の対立が「壊滅的な結末」を招く恐れがあると警告した。

 ダボス会議は、いまだに収束の兆しが見えない新型コロナウイルスの世界的な大流行を受け、昨年に引き続き全てオンラインで行われる。

 習氏は、中国は感染の封じ込めにおおむね成功した数少ない国であり、また経済大国の中で唯一力強い経済成長を続けたと自賛した。

 その上で、多国間自由貿易の推進者を自認する同氏は、大国間の関係が悪化する中で将来への危機感を示し、「対立は問題を解決せず、壊滅的な結末を招くだけだということは、歴史が繰り返し証明してきた」と指摘した。

 また新型コロナウイルスをめぐっては、中国は感染者をゼロにするという厳しい方針を貫いている。外国人の入国は現在もほぼ禁止されているが、中国は感染症の流行中も世界の重要な製造拠点であり続けてきた。

 習主席は「国境を越えた取引を促進し、産業の供給網を安全かつ円滑に保ち、世界経済が着実に回復する」よう、中国は「人的交流」を大切にしていくと述べた。その一方で、厳格な国境管理を緩和する時期については明言しなかった。

 中国は現在、北京冬季五輪開催を数週間後に控え、主要都市などで相次ぐ局地的な感染拡大への対応に追われている。(c)AFP