【1月17日 AFP】男子テニス、世界ランキング1位に立つノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic)のビザ(査証)が、全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2022)開幕前夜の16日に取り消されたことを受け、同選手の出身国セルビアの指導者やスポーツ団体がオーストラリア当局を一斉に非難した。

 セルビアのアレクサンダル・ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領は「恥ずべきだ」とオーストラリアを批判。同国五輪委員会(OKS)は「スキャンダラス」な決定だと断じ、各方面からジョコビッチを国外退去とした豪裁判所を非難する声が上がった。

 ブチッチ大統領は地元メディアに対し「彼らはこの決定で、この10日間の不当な扱いでジョコビッチに恥をかかせたと思っているかもしれないが、恥をかいたのは彼ら自身だ。ジョコビッチは胸を張って帰国することができる」と話した。

 今回の問題に関し、一貫して断固ジョコビッチを支持しているブチッチ大統領は、ワクチン接種の有無を明かしていないセルビアのスターが当初拘束された際には「政治的な魔女狩り」だと糾弾した。

 OKSも明確に嫌悪感をあらわにし、「ノバク・ジョコビッチを、これらの極めて困難で不快な状況への彼の対処の仕方を、われわれは誇らしく思う。この決定はスキャンダラスだが、われわれはノバクが再び勝者になったと信じている」とオンラインに発表文を掲載した。

 ジョコビッチの国外退去が決まると、家族は追い詰められた同選手への支持を集めるために動いた。ジョコビッチの家族による「裁判所の決定と、ノバクがオーストラリアを退去しなければならないという事実に深く失望している」との発表文を地元メディアが伝えている。

「特にノバクにとって難しい局面ではあるが、私たち家族がしなければならないのは、これまで以上に彼をサポートすることだ」 (c)AFP/Jovan MATIC