【1月16日 AFP】16日に予定されていたイングランド・プレミアリーグのトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)対アーセナル(Arsenal)戦が、アーセナルの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連の離脱はわずか1人と報じられた中でクラブの要望が受け入れられ、延期になったことについて、ファンや解説者から批判が出ている。

 アーセナルがトッテナムの本拠地に乗り込むノースロンドンダービーは、日曜夕方の注目試合の枠で生中継が予定されていたが、アーセナルの要請を受け、ここ2か月で21試合目となる延期が決まった。

 延期に関するルールは当初、新型コロナのオミクロン株の流行に伴う陽性者の急増に対応するためのものだったが、けが人やアフリカネーションズカップ(2021 The Africa Cup of Nations)への選手派遣による戦力低下を乗り切るため、このルールを利用するクラブがすぐに現れるようになった。

 アーセナルは現在、ネーションズカップに出場しているアフリカの各国代表に4人が招集され、エミール・スミス・ロウ(Emile Smith Rowe)と冨安健洋(Takehiro Tomiyasu)が負傷で離脱している。

 さらに、13日に行われたリバプール(Liverpool FC)とのイングランド・フットボールリーグカップ(England Football League Cup 2021-22)準決勝第1戦では、ブカヨ・サカ(Bukayo Saka)とキーラン・ティアニー(Kieran Tierney)、セドリック・ソアレス(Cedric Soares)が負傷。グラニト・ジャカ(Granit Xhaka)はこの試合で退場になったため出場停止処分を科され、新型コロナの検査で陽性になり、離脱しているのはマルティン・ウーデゴール(Martin Odegaard)だけとなっている。

 またチームは、エインズリー・メイトランドナイルズ(Ainsley Maitland-Niles)をイタリア・セリエAのASローマ(AS Roma)に、フォラリン・バログン(Folarin Balogun)をチャンピオンシップリーグ(2部)のミドルスブラ(Middlesbrough FC)に期限付きで放出し、さらに人数が減っていた。この2人がいれば、GK最低1人を含めた13人という、リーグが定める試合開催の最低人数の基準を満たせていた可能性があった。

 英スカイ・スポーツ(Sky Sports)で解説を務める元マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)主将のギャリー・ネビル(Gary Neville)氏は、ツイッター(Twitter)で「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による延期として始まったものが、今ではベストメンバーを組めないクラブのためのものになっている」とコメントした。

「プレミアリーグはこの状況に歯止めをかけ、線引きを明確にする必要がある。そして、陽性者が飛び抜けて増えているのでない限り、試合は必ず開催すると言うべきだ。こんなのは間違っている」 (c)AFP/Kieran CANNING