【1月15日 AFP】ブラジルで14日、5~11歳の子どもに対する新型コロナウイルスワクチンの接種が開始された。

 サンパウロ(Sao Paulo)の病院では接種開始に合わせ式典が行われ、先住民の少年ダビ・セレムラミウェ・ザバンテ(Davi Seremramiwe Xavante)君(8)が接種第1号となった。

 式典にはワクチン接種に反対しているジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領と対立するジョアン・ドリア(Joao Doria)州知事も出席した。昨年1月、ブラジルで初めて新型コロナワクチンが接種されたのもサンパウロだった。

 ブラジルでは2000万人以上の子どもたちが親の同意を条件に、米製薬大手ファイザー(Pfizer)と独製薬ベンチャー、ビオンテック(BioNTech)による共同開発ワクチンの接種を受けることができる。先住民や健康上の問題を抱える子どもたちは、優先的に接種を受けることができる。

 一方、ボルソナロ大統領は子どもへのワクチン接種をこれまで繰り返し批判しており、11歳の娘ローラ(Laura Bolsonaro)さんには絶対接種させないと公言している。ボルソナロ氏自身も接種を受けていない。

 また、ボルソナロ氏は今回の承認責任者の名前を公表するよう求めており、物議を醸している。ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)の職員を代表する団体は、ボルソナロ氏の対応を「ファシスト的」だと非難。ANVISAの長官は、職員を脅迫から守るよう警察に要請した。

 ブラジル保健省によると、同国の新型コロナ累計死者数は62万人に上っており、このうち5~11歳の死者数は300人超。

 11月下旬に変異株のオミクロン株が出現して以来、ブラジルでは新規感染者数が爆発的に増加している。14日に発表された新規感染者数は11万2286人で、流行第3波のピークだった6月下旬に迫っている。(c)AFP