ラグビーボール形の系外惑星、ケオプス宇宙望遠鏡で初検出 研究
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【1月12日 AFP】主星を1日足らずで公転する太陽系外惑星が、球体というよりもラグビーボールに近い形状に変形していることが、欧州宇宙機関(ESA)の宇宙望遠鏡「ケオプス(CHEOPS)」による観測で明らかになった。
系外惑星の変形が検出されたのは今回が初めて。これにより、主星のすぐ近くを公転する系外惑星の内部構造についての新たな手掛かりが得られる。研究論文は11日の国際天文学誌アストロノミー&アストロフィジックス(Astronomy and Astrophysics)に掲載された。
「WASP-103b」として知られるこの惑星は、ヘルクレス座の方向約1000光年の距離にある。主星「WASP-103」と惑星との間の強力な潮汐(ちょうせき)力の作用で変形している。
主星WASP-103は、太陽に比べて約200度高温で、大きさは1.7倍。惑星WASP-103bは半径が木星の約2倍で、木星の1.5倍の質量を持ち、主星の周りを一周する公転周期が1日よりも短い。
ケオプスは「恒星面通過(トランジット)」と呼ばれる、惑星が主星の前を横切る際の主星のわずかな減光を高精度で複数回測定できる。これにより研究チームは、WASP-103bの潮汐変形を示すわずかな兆候を検出することができた。
今回の研究では、WASP-103bのトランジット光度曲線を用いて、惑星の内部で質量がどのように分布しているかの指標となるパラメーター「ラブ数」を導き出すことができた。
WASP-103bのラブ数は木星に近いため、内部構造も木星に似ていることが示唆される。ただ、半径は木星の2倍あった。
これについて研究チームは、「原理上、質量が木星の1.5倍の惑星でも大きさはほぼ同じと予想されるので、WASP-103bは主星や他のメカニズムによる加熱によってかなり膨張していると考えられる」と説明している。(c)AFP