【1月12日 AFP】東京五輪の近代五種女子の馬術で馬を虐待したとして提訴されていたドイツ代表のアニカ・シュロイ(Annika Schleu)が、訴追を免れたことが分かった。シュロイの弁護団が11日に明かした。

 31歳のシュロイは500ユーロ(約6万5000円)を慈善団体に寄付することで同意したが、これは自身の罪を認めたことにはならないと弁護団は語った。

 東京五輪の近代五種に臨んだシュロイは、騎乗したセントボーイ(Saint Boy)号が障害の飛越を拒否すると、むちで馬をたたきつける様子が確認され、世界中から大きな批判を浴びた。馬術まで好位置につけていたシュロイだが、結局メダル圏内から後退した。

 馬をたたいたとして、コーチのキム・ライスナー(Kim Raisner)氏も大会から追放された。

 近代五種の馬術では、選手は抽選で選ばれた馬に騎乗し、所有する馬が割り当てられることはない。セントボーイ号はロシア人選手が騎乗した際も障害の飛越を拒否していた。

 シュロイとライスナー氏の行動により、今後の五輪では近代五種から馬術が除外されることになった。

 近代五輪の「父」として知られるピエール・ド・クーベルタン(Pierre de Coubertin)男爵が創設した近代五種は、2024年のパリ五輪の実施競技に含まれる予定となっているが、2028年のロサンゼルス五輪では除外の危機にひんしている。(c)AFP