【1月11日 AFP】北京冬季五輪の専用車両が交通事故に巻き込まれた場合、一般市民は救助に向かってはならない。新型コロナウイルスの厳格な隔離環境「バブル」が破られるのを阻止すべく、北京市公安局公安交通管理局(Beijing Traffic Management Bureau)が警告した。

 来月開幕する北京五輪は、アスリートや他の参加者が一般市民と接触しないように「クローズドループ」の中で開催される。前週には当局が「バブル」の運用を開始し、大会関係者をはじめボランティアや清掃スタッフ、コック、バス運転手は外界にアクセスしないように数週間にわたって閉じ込められることになった。

 中国が「ゼロコロナ」戦略を維持するための一環であるこの措置では、五輪の専用車両が事故を起こした場合でも地元市民が助けてはならないと、北京市の公安部が通達する非常に厳しいものとなっている。

 交通管理局は中国版ツイッター(Twitter)の微博(ウェイボー、Weibo)で「冬季五輪の専用車両が交通事故を起こした場合、安全な距離を保つように注意を払ってください」と警告し、「大会関連の車両やスタッフとは接触せず、プロのスタッフが現場に到着するのを待つように」とつづった。

 感染力が高い新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の出現は、大会に関連したコロナウイルスの流行を防ぐための厳しい規則を敷いている中国にとっては試練となる。同国におけるオミクロン株の感染者はわずかにとどまっていると伝えられているものの、当局は現在複数の都市で発生しているクラスターを封じ込めるために、数千万人規模の検査や数百万人規模のロックダウン(都市封鎖)を実施するなどの対応に追われている。(c)AFP