【1月11日 AFP】米国とロシアは10日、ウクライナ情勢をめぐる協議をスイス・ジュネーブで開いた。7時間以上に及ぶ緊迫した協議では、ロシア側がウクライナに侵攻する計画はないと明言。米ロ両国は、事態が全面的な対立に発展するのを防ぐための努力を強化することで合意した。

 今回の協議は、ロシアが親欧米路線を取るウクライナに侵攻するのではないかという懸念が広がる中で行われた。ロシアは今後1週間にわたり、欧米諸国と協議を行う予定。

 ロシア側は、米国を含む北大西洋条約機構(NATO)加盟国に幅広い譲歩を要求。米ロ両国は互いに対話の継続を提案したが、大きな進展はなかったもようだ。

 ロシアのセルゲイ・リャプコフ(Sergei Ryabkov)外務次官は記者会見で、協議ではウェンディ・シャーマン(Wendy Sherman)米国務副長官に対し、ウクライナ侵攻の懸念は杞憂(きゆう)だと保証したと説明。「ウクライナを『攻撃』する計画も意図もないと説明した。この点に関しては、いかなる深刻化も恐れる理由はない」とし、ロシア政府は「対話の継続に賛成」していると述べた。

 一方、シャーマン副長官によると、米側はミサイルや演習についてロシアと互恵的な措置を取ることを提案したが、ロシアがウクライナに侵攻した場合には大きな代償を払うことになると改めて警告。米国には再協議の用意があるが、ロシア側からは対ウクライナ国境付近に集結させている兵力を撤退するとの保証が得られていないと、シャーマン氏は指摘した。(c)AFP/Nina Larson with Michael Mainville in Moscow and Shaun Tandon in Washington