【1月10日 AFP】第79回ゴールデン・グローブ賞(Golden Globe Awards)が9日発表され、ジェーン・カンピオン(Jane Campion)監督の西部劇『パワー・オブ・ザ・ドッグ(The Power of the Dog)』がドラマ部門の作品賞を受賞した。コメディー/ミュージカル部門の作品賞は、スティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)監督の『ウエスト・サイド・ストーリー(West Side Story)』に贈られた。

 米アカデミー賞(Academy Awards)の前哨戦として注目されるゴールデン・グローブ賞だが、主催するハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)に対する人種差別批判を受けて今年は華やかな授賞式のテレビ中継は行われず、ハリウッド(Hollywood)のスターも軒並みそっぽを向く中、公式ブログで受賞が発表された。

 女性監督の作品賞受賞は史上2回目。『パワー・オブ・ザ・ドッグ』は監督賞も受賞し、コディ・スミット=マクフィー(Kodi Smit-McPhee)が助演男優賞に輝いた。

 1961年公開の人気作をスピルバーグ監督がリメークした『ウエスト・サイド・ストーリー』は、レイチェル・ゼグラー(Rachel Zegler)がコメディー/ミュージカル部門の主演女優賞を、アリアナ・デボーズ(Ariana DeBose)が助演女優賞を受賞。

 ドラマ部門の主演男優賞はウィル・スミス(Will Smith)が『ドリームプラン(King Richard)』で、主演女優賞はニコール・キッドマン(Nicole Kidman)が『愛すべき夫妻の秘密(Being the Ricardos)』で、それぞれ受賞した。

 テレビドラマ部門ではHBO制作の「メディア王 ~華麗なる一族~(Succession)」が作品賞を獲得した。

 HFPAにはエンターテインメント業界を取材する米国外の新聞・雑誌記者約100人が所属するが、米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)が昨年、会員に黒人がいないと報道。汚職や人種差別などさまざまな問題に批判が殺到した。

 授賞式は例年、ハリウッド屈指の祭典としてテレビ中継を数百万人が視聴し、ソーシャルメディアで話題をさらってきたが、今年は米NBCテレビが中継を見送り、ツイッター(Twitter)でもトレンド入りすることなく終わった。(c)AFP