【1月8日 AFP】米南部ジョージア州で2020年2月、ジョギング中だった黒人男性が白人の男3人にトラックで追いかけられ、射殺された事件で、同州の裁判所は7日、被告の男3人に終身刑を言い渡した。事件は、米国の人種問題をめぐる緊張を浮き彫りにした。

 トラビス・マクマイケル(Travis McMichael)被告(35)とその父親のグレゴリー(Gregory McMichael)被告(66)には仮釈放なしの終身刑が言い渡された。一方、殺害への直接の関与度が低く、捜査に協力していた隣人のウィリアム・ブライアン(William Bryan)被告(52)には、仮釈放の可能性がある終身刑が言い渡された。陪審は昨年11月、3被告を殺人や加重暴行、不法監禁の罪で有罪とする評決を下していた。

 事件では20年2月23日、ジョージア州ブランズウィック(Brunswick)近辺の住宅街でジョギング中だったアマード・アーベリー(Ahmaud Arbery)さん(25)が殺害された。

 銃で武装した3被告は、アーベリーさんを逃走中の強盗犯だと証拠もなく疑い、ピックアップトラックで約5分間にわたり追跡。アーベリーさんはトラックを避けようとしたが行く手を阻まれ、トラビス被告に射殺された。事件の様子は、ブライアン被告が携帯電話で撮影していた。

 被告側は、ジョージア州で事件当時合法だった、一般市民が容疑者を拘束できる「私人逮捕」を試みたと主張していた。私人逮捕を認める州法はその後、廃止されている。(c)AFP/Paul HANDLEY