【1月7日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は6日、連邦議会議事堂襲撃事件から1年の節目に合わせて演説し、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領について、敗北を受け入れられない利己的なうそつきと非難し、米国の民主主義を守ることを誓った。

 バイデン氏はここ1年間、トランプ氏に関してはほぼ無視の姿勢を取ってきた。だが、1年前に同氏を支持する暴徒が乱入した場所の一つである議事堂内の彫像ホール(Statuary Hall)で行った演説では、強い語気で同氏を批判した。

 バイデン氏は、自身の当選は選挙不正によるものだったというトランプ氏の主張を念頭に、「前大統領は、2020年の選挙についてうそ八百を並べて拡散させた」と明言した。このトランプ氏の主張には根拠がないが、野党・共和党の支持者の間では今も広く信じられている。

 バイデン氏はさらに、トランプ氏がそうした主張を繰り返してきたのは「主義よりも権力に価値を置き、国益よりも利己を重視しているからだ」と糾弾。米国や世界の多くの地域で、民主主義と独裁主義の戦いが繰り広げられていると述べた。

 トランプ氏はこの演説を受けて声明を出し、バイデン氏が「私の名前を使って米国の分断をさらに深めようとした」と主張。「この政治劇は、バイデン氏が完全に失敗したという事実から目をそらすためのものにすぎない」と応酬した。(c)AFP