【1月5日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は4日、現地紙に掲載されたインタビューで、新型コロナウイルスワクチンの未接種者に対し、日常生活の広範囲で制限を課して強い圧力をかけていくとする挑発的な警告を発した。これを受けて翌日には、反対派から怒りの声が上がり、議会での関連審議にも混乱が生じた。

 マクロン大統領は、仏紙パリジャン(Le Parisien)のインタビューで「ワクチン未接種者については、うんざりさせたいと本当に思っている」と発言。その際、フランス語で「くそ」を意味する「merde」から派生した「emmerder」という強意の俗語を用いた。

 その上で大統領は「われわれはそうし続ける、とことんまで。これが戦略だ」と強調した。

 フランスでは現在、ワクチンの接種完了か、最近の検査での陰性、または感染後の回復を証明する「衛生パス」を、文化活動を楽しむ際や、鉄道やカフェの利用時などに提示しなければならない。しかし政府は、今月15日以降、ワクチン接種完了者のみをパスの対象者とする法案の成立を目指している。

 マクロン大統領は同じインタビューで「(ワクチン未接種者を)刑務所に入れるつもりはない。ワクチン接種を強制するつもりもない。だからこそこう言わざるを得ない。1月15日以降、あなた方はレストランに行けなくなる。コーヒーを飲みに行くことも、劇場に行くこともできなくなる。映画館に行くこともできなくなる」と説明した。

 この発言を受けて、来年の大統領選の対立候補や反対派が、マクロン氏は一線を越えたと非難した。また議会でも混乱が広がり、コロナ対策での制限強化を目指す法案の可決はさらに遅れる見通しとなった。(c)AFP/Stuart WILLIAMS/Christophe DE ROQUEFEUIL