【1月5日 東方新報】中国で高齢者同士のお見合い番組が評判となっている。2021年発表の第7回国勢調査によると、中国の60歳以上人口は2億6400万人を超え、このうち5000万人近くが独り身。また、離婚率は2003年から上昇を続け、2019年は人口1000人当たり3.4組と日本の約2倍。独り身の高齢者が伴侶を探す場を求めている。

 中国東北部吉林省(Jilin)の吉林テレビ生活チャンネルで放送されている「縁来不晩(まだ遅くはない)」は、配偶者との死別や離婚で独り身のシニア同士がお見合いする番組だ。

「暮らしに不自由はない。でも、私一人しかいない家は刑務所のようだ」「あなたはタイプじゃない。私は真剣なの!」。参加者が本音をぶつけ、自分をさらけ出す姿は評判を呼び、動画投稿サイト「抖音(Douyin)」の番組公式アカウントでは、1つのショート動画に10万件以上の「いいね!」がつく。

 番組の制作スタッフは平均年齢25歳。高朋挙(Gao Pengju)プロデューサーは「私は以前、若者向けのデート番組を担当していましたが、高齢の方から『なぜ私たちの手助けをしてくれないのか』という問い合わせがテレビ局に何度もあったんです」と振り返る。2019年に「縁来不晩」をスタート。最初は参加者を集めるため、高さんらは公園巡りをした。一部の公園では、パートナーのいない高齢者同士がお見合い相手を探す場となっているからだ。

 すると、番組の宣伝ボードを持っている高さんの周りを行ったり来たりしている高齢の女性に気づいた。女性は、声をかけた高さんにこう打ち明けた。「若い時に夫を亡くし、一人で息子を育ててきた。息子が社会人になったので『新しい人生の伴侶を見つけたい』と伝えると、『これから親孝行しようと思っているのに、僕を捨てる気なの?』と反対されました。息子が出勤した後、私はいつも家で一人泣いています」

 子どものいる高齢者が再婚相手を探す時、子どもから「再婚は必要ない」「だまされていないか心配だ」「他人を家族とは思えない」と反対されることが多い。それを知った高さんは「私たちの番組は、独り身の高齢者の思いを若者に伝える『窓』にしたい」と語る。番組でパートナーが見つかる割合は50%を超え、出場希望者は今や数千人に上る。

 吉林省近くの遼寧省(Liaoning)では「愛的選択」、黒竜江省(Heilongjiang)も「愛親相愛」というシニアのお見合い番組が人気となっている。東北部だけでなく、東部の江蘇省(Jiangsu)や中部の湖南省(Hunan)なども同様の番組があり、中高年の交際をテーマにした番組は全国で10以上あるという。

 東北師範大学(Northeast Normal University)の鄭軍(Zheng Jun)教授は「現代社会の高齢者は物質的には豊かになったが、精神的な孤独感は見過ごされがちだ。シニア向けお見合い番組は、パートナーのいない高齢者について社会が関心を集める機会となっている」と分析している。(c)東方新報/AFPBB News