【1月4日 東方新報】北京冬季五輪フィギュアスケート日本男子代表に羽生結弦(Yuzuru Hanyu)選手が決まったことを、中国メディアが大きく報じている。中国にも羽生選手のファンは多く、関心の高さをあらためて示した。

 中国の国営通信「中国新聞社(CNS)」は、全日本選手権で羽生選手が2年連続6回目の優勝を果たして五輪出場を決めた12月26日夜、「羽生結弦回来了(羽生結弦が帰ってきた)!」という長文の記事を配信。「テーマ曲『天と地と』の最後の一音が鳴りやんだ時、羽生はほぼ完璧な演技でフリープログラムを終えた」「4A(4回転半ジャンプ)に挑み、回転が足りなかったが無事着地に成功」「11月のグランプリシリーズNHK杯(NHK Trophy)を右足首の負傷で欠場した羽生は、優勝により復活を宣言した」と臨場感たっぷりに伝えている。

 記事では大会以外に、羽生選手が4歳からフィギュアを始め、2011年の東日本大震災を仙台市のリンクで体験したことなどを紹介。さらに「2014年ソチ五輪男子フィギュアでアジア人初の金メダリストに輝いた」「ロシアや米国、欧州の選手と異なり、軽快で東洋的な趣(おもむき)を備えている」と「東洋の誇り」として称賛した。北京大会でも「競技そのものを超越し、4Aに挑戦することでフィギュアスケートの歴史を塗り替えようとしている」と期待している。

 スポーツメディア「中新体壇」も「世界中にファンを持つ羽生がリンクに立つたびに、彼の好きなクマのぬいぐるみがリンクに投げ入れられる」「彼のハンサムな顔や優雅さに多くの人が魅了されるが、人気の理由は何よりも優れた演技にある」と羽生選手の魅力を繰り返し伝えている。

 中国における羽生選手の人気は、海外選手の中でも圧倒的に高い。9月下旬に国際オリンピック委員会(IOC)が五輪の観客を中国国内に限定すると決定した際、日本の羽生ファンが「残念ですが、中国も羽生ファンは多いので、応援を託します」とネットでメッセージを発すると、中国外務部の華春瑩(Hua Chunying)報道局長(現外務次官補)がツイッターに日本語で「羽生結弦選手のファンの皆さまへ 『現地応援は中国の皆さんに託す』との声を目にしました。お任せください!」「東京五輪に続いて、北京冬季五輪も成功に向けて頑張ります!」と投稿している。

 来年2月4日開催の北京冬季五輪まであとわずか。中国の羽生ファンも、クマのぬいぐるみを抱えながらその日を待ち望んでいる。(c)東方新報/AFPBB News