【1月1日 AFP】米コロラド州で、ブレーキの故障による事故で4人を死亡させたトラック運転手に禁錮110年が言い渡され、物議を醸していた問題で、同州知事は昨年12月30日、運転手の刑期を10年に短縮した。

 量刑を言い渡した判事は、同州で定められている規則にのっとったものだと説明。だが判決は批判を呼び、減刑を求める署名運動にタレントのキム・カーダシアン(Kim Kardashian)さんら450万人以上が参加していた。

 この運転手は、キューバ移民のロヘル・アギレラメデロス(Rogel Aguilera-Mederos)被告(26)。2019年4月、コロラド州の山地で木材をトラックで輸送中、下り坂でブレーキが利かなくなったが、緊急退避所を利用しなかった。結果、28台が絡む玉突き事故が発生し、4人が死亡、6人が負傷した。

 陪審は、自動車による殺人など27件の罪で被告を有罪とする評決を下した。判事は、コロラド州法で定められた量刑の下限として、110年の禁錮刑を言い渡した。

 同州のジャレッド・ポリス(Jared Polis)知事は30日、この量刑は「恣意(しい)的で不当」だとして、被告の量刑を10年に短縮。被告に宛てた書簡で、「110年という刑期の長さは、あなたの行為にも、同様の罪を犯した人に下された刑罰にも見合うものではない」と記した。被告は5年後に仮釈放を申請できる。(c)AFP