【12月27日 AFP】(更新)インド洋のモーリシャス沖で昨年、日本の貨物船「わかしお(MV Wakashio)」が座礁して重油が流出し、モーリシャス史上最悪の環境汚染を引き起こした事故で、同国の裁判所は27日、船長と1等航海士に禁錮1年8月を言い渡した。関係者によると、刑期は直後に減刑され、両被告は近く釈放される見通しとなった。

 日本企業が所有するパナマ船籍のわかしおは昨年7月、サンゴ礁に座礁。1000トン以上の重油がモーリシャスの澄んだ海に流れ込み、マングローブやサンゴなど、繊細な生態系の動植物が重油に覆われた。

 船長は裁判で、船内で開かれた宴会での飲酒を認めたほか、船をモーリシャス沖に接近させたのは乗組員が携帯電話を使って家族に連絡を取れるようにするためだったと証言。先週、1等航海士とともに、安全航行を危険にさらした罪で有罪判決を受けていた。

 27日に量刑を言い渡した判事は、両被告が「罪を認め、謝罪したという事実を考慮」したと説明。わかしおの保険引受先である日本船主責任相互保険組合(Japan P&I Club)の代理人を務める弁護士は、品行方正を理由とした減刑や1年4か月分の未決勾留日数の算入により、両被告が「間もなく」釈放される運びとなったと語った。釈放後、船長はインドに、1等航海士はスリランカに戻る予定だという。(c)AFP