【12月31日 AFP】米フロリダ州の動物園で、清掃員がフェンス越しに出した腕にかみついたトラが射殺された。警察や地元メディアが伝えた。

 射殺されたのは、ネイプルズ動物園(Naples Zoo)で飼育されていた8歳の雄のマレートラ「エコ(Eko)」。同州コリアー(Collier)郡保安官事務所が29日夜、フェイスブック(Facebook)への投稿で明らかにしたところによると、20代の男性清掃員は外側の柵を越えた上で、おりの内側に腕を入れたところ、トラにかまれて引き込まれたとみられる。

 現場に急行した警察官は、フェンスを蹴ってトラを男性の腕から離そうとしたが成功せず、「やむを得ずトラを撃った」という。男性は重傷を負い、病院に搬送された。米メディアが動物園関係者の話として伝えたところによると、撃たれたトラは死んだ。

 保安官事務所は、男性がトラをなでたか、餌を与えたかしたとみられると説明。いずれも「許可されていない危険な行為」だと指摘した。同動物園は30日、ウェブサイト上での発表で、調査とスタッフへの配慮のため一時閉園すると発表。職員の悲しみをいやすためカウンセリングも提供するとした。

 マレートラは、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト(Red List)で「深刻な危機」にある絶滅危惧種に分類されている。保安官事務所の投稿にはコメントが殺到。動物園はすべて廃止されるべきだとの声があった一方、清掃員の行動に対する批判も多く上がっている。(c)AFP