【12月29日 AFP】(更新)世界保健機関(WHO)は29日、急速に広がる新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」のリスクについて、依然として「非常に高い」との見解を示した。

 WHOは疫学週報で「懸念される変異株(VOC)であるオミクロン株に関する全体的なリスクは、依然として非常に高い。オミクロン株の倍化時間は2~3日で、デルタ株よりも増殖が速いという一貫した証拠がある。多数の国で感染例の急増も確認されている」と述べた。

 オミクロン株の急速な感染拡大については「免疫回避と本質的な感染力の強さの両方によるものとみられる」との見解を示した。

 一方、先月24日に最初にオミクロン株をWHOに報告した南アフリカでは、症例数が29%減少したと強調した。

 WHOは、南ア、英、デンマークでの初期的なデータからはオミクロン株がデルタ株と比べると入院リスクが低いことが示唆されているが、重症化リスクを理解するにはさらなるデータが必要だと述べた。

 世界の新規感染者数は10月以降徐々に増加しているが、WHOによると、26日までの1週間の世界の新規感染者数は前週比11%増の500万人弱、死者数は前週比4%減の4万4000人強だった。

 新規感染者数が多い上位4か国は、米、英、仏、伊だった。(c)AFP/Robin MILLARD