【12月29日 AFP】中国が建設中の宇宙ステーションと米宇宙開発企業スペースX(SpaceX)の衛星が2度ニアミスを起こしていたとされる問題で、中国は28日、宇宙での無責任で危険な行為だとして米国を非難した。

 中国が今月、国連宇宙部(UNOOSA)に提出した文書によると、中国の宇宙ステーション「天宮(Tiangong)」は今年7月と10月の2度、スペースXの高速インターネットサービス事業「スターリンク(Starlink)」の衛星との衝突を防ぐための回避行動を強いられた。

 中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は28日の定例会見で、米国が「国際条約上の義務を無視し、宇宙飛行士の生命と安全を深刻な脅威にさらしている」と批判した。

 実業家のイーロン・マスク(Elon Musk)氏が率いるスペースXはスターリンク事業で、地球上の大半の地域へのインターネットサービス提供を目指し、2000基近くの衛星を運用している。同社は民間企業で、米軍や米航空宇宙局(NASA)からは独立しているが、中国はUNOOSAに提出した文書の中で、宇宙条約(Outer Space Treaty)の加盟国は非政府組織の行為にも責任があると指摘している。

 スペースXは今のところコメントの要請に応じていない。(c)AFP