【12月29日 AFP】子どもの権利保護団体「セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)」は28日、ミャンマーで先週末に30人以上が殺害された襲撃事件で、同団体の職員2人が死亡したと明らかにした。事件は国軍が起こしたとされ、米国はこれを受けミャンマーに対する武器禁輸措置を国際社会に呼び掛けた。

 ミャンマーでは2月のクーデター以降、混乱が続いており、現地の監視団体によると、治安当局による弾圧で1300人以上が死亡している。

 事件はクリスマスイブの24日、民主派の反政府勢力と国軍の衝突が続く東部カヤ(Kayah)州で発生。反政府勢力によると、幹線道路で女性や子どもを含む30人以上の焼死体が見つかった。

 セーブ・ザ・チルドレンは、少なくとも35人の犠牲者の中に、行方不明になっていた男性職員2人が含まれていたことを確認したと発表。「軍は人々を車から強制的に連れ出し、一部を逮捕、多くの人を殺し、遺体を燃やした」と説明した。職員2人はいずれも、最近父親になったばかりだったという。

 国軍は先の説明で、24日に同州プルソ(Hpruso)郡区で「挙動不審」な車両7台を止めようとしたところ、攻撃を受けたと主張。AFPの取材に応じたゾー・ミン・トゥン(Zaw Min Tun)報道官は、軍がそれに続く衝突で複数人を殺害したと認めたが、死者の数などの詳細は明らかにしなかった。

 クーデターをめぐる対ミャンマー制裁を主導してきた米国のアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は、「罪のない人々や、人道支援活動家を標的にするのは容認できず、国軍で横行するビルマ(ミャンマーの旧国名)の人々に対する残虐行為は、その構成員に責任を負わせることの緊急性を浮き彫りにしている」と指摘。国際社会に対し、同国の軍事政権に対する武器禁輸措置を改めて呼び掛けた。(c)AFP