【12月29日 AFP】中国北部で28日、新型コロナウイルス対策として、新たに住民数十万人に対し外出制限が課された。同国では新型ウイルスの感染がここ1年9か月で最悪の水準に拡大。ロックダウン(都市封鎖)下に置かれた住民は、ソーシャルメディアで食料不足を訴えている。

 中国は現在、来年2月の北京冬季五輪に向けて多数の外国人の受け入れ準備を進めており、厳格な入国制限と長期間の隔離、局所的なロックダウンによる「ゼロコロナ」戦略を取っている。

 しかしこの数週間で感染者数が再び急増。28日には209人の感染が発表され、中部・武漢(Wuhan)で新型ウイルスが猛威を振るった昨年3月以降の1日の新規感染者数としては最多となった。

 感染がまん延している欧米と比較すれば中国の感染者数は少ないが、人口1300万人の西安(Xi'an)では当局が「最も厳格」な規制を導入。住民は複数回の検査を受け、食料品の買い出しのため外出できる人数は1世帯で3日ごとに1人のみに制限されている。

 西安の近隣都市でも、感染が増加。約300キロメートル離れた延安(Yan'an)でも28日、商店が閉鎖され、1地区の住民数十万人が外出を禁じられた。

 西安のロックダウンは、同規模の都市である武漢が封鎖されて以来、同国で最大規模のものとなった。外出制限が6日目に入る中、ソーシャルメディアには食料などの必需品が調達できず助けを求める投稿が相次いでいる。

 ある住民は、中国版ツイッター(Twitter)の微博(ウェイボー、Weibo)に「餓え死にしそうだ」と投稿。「食べ物はないし、集合住宅は外に出してくれないし、即席麺も無くなりそうだ……助けて!」と訴えた。(c)AFP