【12月28日 AFP】米西部は27日、猛烈な冬の嵐に見舞われた。干ばつが続いていたカリフォルニア州の山地に待望の雪が降る一方、広い範囲で交通機関に乱れが生じた。

 カリフォルニア州のシエラネバダ(Sierra Nevada)山脈の一部では、24時間降雪量が約1メートルに達し、12月の累計降雪量は過去最多の約5メートルとなった。水源となる雪塊氷原が大幅に縮小している同地域にとって、待望の雪となった。

 カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)セントラル・シエラ・スノー・ラボラトリー(Central Sierra Snow Laboratory)のアンドルー・シュウォーツ(Andrew Schwartz)筆頭研究員はAFPに対し、「降水量の多い冬になるとは全くの予想外だった」として、「今年の降雪量が予想をはるかに上回ったのは偶然だ。もちろん、うれしい驚きだ」と語った。

 米西部では降水量が少ない年が続き、広大な田園地帯が乾燥し、山火事が発生しやすくなっていた。

 シュウォーツ氏は今回の降雪について、西部の干ばつが終わったと宣言するには時期尚早だか、「一息つけたようだ」と述べた。

 一方、冬の嵐によって広範囲で停電が発生し、道路網が寸断された。

 北西部ワシントン州シアトル(Seattle)では、大雪により交通機関の遅延や運休が相次ぎ、空港では旅客機の除雪作業が行われた。

 オレゴン州でも大半の地域に暴風雪警報が出されており、27日夜から28日朝にかけてさらなる降雪が予想されている。

 西部が冬の嵐に見舞われる一方、南部テキサス州は季節外れの陽気となった。クリスマスの25日、リオグランデビレッジ(Rio Grande Village)の気温は34度まで上がった。

 専門家は、人間活動による地球温暖化で気候が乱れ、嵐はより強く、予測不能になっており、予想外の場所で気温の上昇が観測されていると指摘している。(c)AFP