【12月27日 AFP】東アフリカ・ソマリアのモハメド・アブドラヒ・モハメド・ファルマージョ(Mohamed Abdullahi Mohamed Farmajo)大統領は27日、選挙をめぐって対立するモハメド・フセイン・ロブレ(Mohamed Hussein Roble)首相を停職処分としたと発表した。ロブレ首相は憲法違反だと主張しており、確執が深まっている。

 大統領府は、ロブレ首相が土地収奪事件の捜査に介入したとして「首相に汚職関与の疑いがあることから、停職させ権限を停止すると決定した」と発表した。

 これに先立ちロブレ首相は26日、ファルマージョ大統領が首相の選挙実施権限を取り消し、間違いを「正す」ためとして新たな委員会を招集したのは選挙プロセスの妨害だと非難していた。

 停職の発表を受け、ロブレ首相はファルマージョ大統領が「憲法と法律に違反して、力ずくで首相の座を奪おうとしている」と反論している。

 政情が不安定な「アフリカの角(Horn of Africa)」と呼ばれる地域にあるソマリアでは、選挙の延期が続く中、ファルマージョ大統領とロブレ首相の関係が冷え込んでいた。今回の事態を受け、内政のさらなる混乱が危惧される。 

 4月にはファルマージョ大統領が選挙を行わないまま任期延長を決定し、首都モガディシオの市街地で政府支持派と反政府派が銃撃戦を繰り広げる事態に発展した。

 この混乱はファルマージョ大統領が任期延長を撤回し、ロブレ首相が選挙日程を調整することで収束したものの、両者の対立は続き、選挙はまたも延期。両者は10月にようやく和解し、共同声明で選挙プロセスの加速化を約束したばかりだった。(c)AFP