【12月26日 AFP】ミャンマー東部カヤ(Kayah)州で25日、炎上し黒焦げになった車両と30人以上の遺体が発見された。監視団体や地元メディアは軍事政権の仕業によるものだと非難している。

 ソーシャルメディアに25日、カヤ州プルソ(Hpruso)郡区の幹線道路で撮られたとされる焼け焦げたトラック2台と乗用車1台の写真が投稿された。車内には黒焦げの遺体の一部が残されていた。

 民主派が創設した独自部隊「国民防衛隊(PDF)」の地元メンバーによると、戦闘員が25日朝、車両を発見。前日にはPDFと国軍がプルソ付近で衝突しており、国軍は郡区内で複数の車両を検問していた。

 PDFメンバーはAFPに対し「けさ、現場を確認しに行ったところ、2台のトラックが焼かれ、27人の遺体を発見した」と語った。別の目撃者は頭蓋骨27個を見つけたとし、「トラックの中にはまだ遺体があったが、焼けて粉々になっていたため何人いたのかは分からなかった」と述べた。

 事件をめぐっては、子どもの権利保護団体「セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)」が25日、ミャンマーの職員2人が「巻き込まれ」行方不明になっていると明らかにした。同団体の車両が攻撃され、燃やされたという。2人は事件のあった地域で人道支援活動を行った後、家に帰る途中だった。

 同団体は事件を受け、複数の地域での活動を停止した。

 国軍は、24日にプルソ郡区で「挙動不審」な車両7台を止めようと試みたところ、攻撃を受けたとしている。報道官はそれに続く衝突で数人を殺害したと認めたが、詳細は明らかにしなかった。

 監視団体「ミャンマー・ウィットネス(Witness)」は、「24日にプルソ郡区で国軍により、子どもと女性を含む35人が焼かれて殺された」という地元メディアと目撃者の証言を確認したとしている。

 衛星データでも、24日午後1時ごろにプルソ郡区で火の手が上がっている様子が確認できた。

 AFPは衝突に関する報告を確認できていないが、デジタル検証チームによると、現場の写真とされる画像は、24日夕方以前にはオンライン上にはなかった。(c)AFP