【12月25日 AFP】フィギュアスケートの全日本選手権(Japan Figure Skating Championships 2021)は24日、さいたまスーパーアリーナ(Saitama Super Arena)で男子シングル・ショートプログラム(SP)が行われ、五輪2連覇中の羽生結弦(Yuzuru Hanyu)が本来の調子を取り戻した最高の演技で111.31点の高得点をたたき出し、首位発進した。

 先月練習中に転倒して右足首の靱帯(じんたい)を損傷していた羽生は、北京冬季五輪を6週間後に控えた中での8か月ぶりの復帰戦で、上半身がきらびやかなライトブルーの衣装でリンクに立つと、新プログラムのお披露目となったSPの楽曲「序奏とロンド・カプリチオーソ(Introduction and Rondo Capriccioso)」の軽快なピアノに合わせて滑走し、まったく違和感を見せずに観客を魅了した。

 演技後には満足げにうなずいていた羽生は、報道陣に対して「この会場でサルコーを失敗した記憶もあったので、緊張はしていた」と話し、「ただ、最初の4回転サルコーが決まった段階で、少し落ち着いて演技ができた」と続けた。

 27歳の羽生はこの前日、来年2月4日に開幕する北京五輪でタイトル連覇を目指すと初めて明言。しかし、まずはその前にトップで迎える26日のフリースケーティング(FS)で、これまで大会では一度も成功した例がない4回転アクセルに挑戦する意向も示した。

 23日に行われた公式練習でこの神業が成功に近いことを示し、大会で仕事をやり遂げる決意でいる羽生は、「もちろん、4回転半ジャンプに挑戦するつもりではいるので、まずは公式練習と、最後の最後までけがをしないように気をつけながら、普段通りにいけるように集中力を高めながら頑張りたい」と語った。

 平昌冬季五輪の銀メダリストである宇野昌磨(Shoma Uno)が101.88点で2位に続き、現世界ランク1位の鍵山優真(Yuma Kagiyama)が95.15点で3位につけている。(c)AFP/Andrew MCKIRDY