【12月25日 AFP】フランスの高等保健機構(HAS)は24日、新型コロナウイルスワクチンの成人に対する追加接種(ブースター接種)について、2回目の接種との間隔をこれまでの5か月から3か月に短縮するよう勧告した。変異株「オミクロン株」への対策を強化するための指針変更となる。

 新型ウイルス対策に関する政府の諮問機関であるHASは、追加接種の時期を早める理由として、オミクロン株の重篤な症状を伴わない症例に対し、ワクチンは1~2か月間は80%の効果があるものの、これまでの変異株に比べるとより早く効果が薄れるという研究結果を挙げた。

 米製薬大手ファイザー(Pfizer)製ワクチンの有効性は、最初の2回の接種から4か月後には34%まで下がるが、追加接種の2週間後には75%まで上がったという。

 HASはさらに、重症化リスクが認められる10代の子どもにも追加接種を拡大するよう勧告した。フランスでは数日前に、5歳以上の子どもへのワクチン接種も始まっている。

 同国では23日、新型ウイルス感染症の流行が始まって以来、1日当たりで最多となる9万1608人が検査で陽性を示したと報告された。ただしここ1週間は、検査自体が620万件という記録的な数に上っている。

 他の欧州諸国とは異なり、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領はこれまでのところ、オミクロン株対策としての大規模な制限を新たに課すことは避け、追加接種を促進することで医療体制の逼迫(ひっぱく)を防ぎたいとの考えを示している。(c)AFP