【12月23日 AFP】米国で、ブレーキ故障によるトラックの事故で4人を死亡させた運転手に禁錮110年が言い渡され、減刑を求める署名運動に450万筆以上が集まっている。タレントで実業家でもあるキム・カーダシアン(Kim Kardashian)さんも州知事に介入を呼び掛けている。

 キューバ移民のロヘル・アギレラメデロス(Rogel Aguilera-Mederos)被告(26)は2019年4月、西部コロラド州の山地で木材をトラックで輸送中、幹線道路の下り坂でブレーキが利かなくなった。緊急退避所があったにもかかわらず活用しなかった結果、28台が絡む玉突き事故が発生し、4人が死亡、6人が負傷した。

 アギレラメデロス被告は先週、危険運転による殺人など27件の罪で110年の禁錮刑を言い渡された。判事は、コロラド州法で定められた量刑の下限だと説明している。

 110年という刑期の長さに激しい非難の声が上がり、オンライン署名サイト「チェンジ・ドット・オーグ(Change.org)」には減刑を求めて460万筆の署名が集まった。

 弁護士を目指すカーダシアンさんはコロラド州のジャレッド・ポリス(Jared Polis)知事に介入を呼び掛けている。

 カーダシアンさんはツイッター(Twitter)に「法律で定められた最低量刑は司法の裁量を奪っており、廃止しなければならない」と投稿。「コロラド州法は極めて不公平で改正する必要がある」として、「(州知事は)善良な人なので、正しいことをしてくれると思う」と続けている。

 ポリス氏は21日、減刑を求める嘆願書は受け取っており、検討中だと述べた。

 トラック運転手の中には、この問題が解決されない限り、コロラド州での仕事を拒否するとソーシャルメディアに投稿する人もいる。(c)AFP